ワードはマイクロソフト社の文書作成ソフトで、小説や論文の原稿、資料作成のような文書の作成で広く用いられています。
文字に色や効果を付けるなども可能ですし、文書中に画像や図形を配置もできます。
うまく画像や文字の色を工夫すれば、チラシやポストカード、冊子のような印刷物のデータも綺麗に制作できます。
もちろん、小説や自伝、詩集・歌集などをワードで作成し、自費出版することができます。
オフセット印刷に対応したDTPソフトとは異なり、ワードは環境が変わると体裁の崩れや文字化けが起こる可能性があります。
例えばご自宅のパソコンで作成されたワードデータを、印刷会社のパソコンで開くと、本来意図されたレイアウトが崩れてしまうことがあります。
これを避けるために、北斗書房ではPDF形式による入稿をお勧めしています。
PDFは、異なる環境や機器で文書を表示できるように設計されたファイル形式です。閲覧や作成のためのソフトが無料で配布されているので、世界中で手軽に利用されています。
環境を問わず作り手の意図したとおりに文書が表示されることから、印刷会社への入稿形式としてもよく用いられています。
また、ワードをPDFに書き出す際に、使用しているフォントを「埋め込む」ことができます。フォントを埋め込むと、文字の一つ一つが図形のように固定された状態でデータ化されるため、文字化けを防止できます。
本来、文書を作成した環境でワードからPDFを書き出すのが最も安全です。
「Word2010」以降のワードには、PDF形式で保存できる機能があります。
それ以前のワードを使用されている、あるいはPDF書き出し方が分からない場合は、ワードデータのままご入稿いただくことも可能です。
その場合は、印刷会社の環境でPDFの書き出しを行いますので、印刷の前に校正を行い、体裁の崩れや文字化けを確認していただくことをお勧めします。
ワードには色々な機能があり、色々な表現ができるソフトです。
ご自身の思いどおりに誌面を表現し、制作の過程も含めて、自費出版を楽しんでいただければ幸いです。
「何冊印刷しますか?」
自費出版を考え、出版社へ相談に出向くと必ず尋ねられます。
必要な紙の量、印刷費用や製本費用を算出するために必要だからです。
家族や知人に本を贈呈することが目的の自費出版の場合は「年賀状の枚数×1.2倍位」が、最低必要部数と言われています。
一方、書店販売を見据えた自費出版ですと、最低500部から、場合によっては1,000部以上を出版社から提示されることがあります。
この違いは、本が完成した後の、モノの流れ方に違いがあるからです。
前者の場合は、完成本を家族や親戚、知人に送り、国会図書館や地元の図書館、あるいは母校の図書館に寄贈する。ほぼこれで制作部数のほとんどが手元を離れるはずです。
何冊かは残りますが、これは想定外の反響があった場合の予備です。
一方、後者の場合は、商業出版の商習慣に則って流通させるために最低必要な部数があります。
(参考:本を売るということ~書籍流通の仕組み~)
本のジャンルや内容にもよりますが、最低でも500~1,000部といわれており、これが書店販売で提案される部数の根拠でもあります。
この部数は、あくまで「流通に必要な部数」であり「売れる部数」ではないことにご注意ください。
そしてここに、必要以上に本を印刷することのリスクがあるのです。
1.返本
ほとんどの本は「配本」と呼ばれる委託販売で流通します。
委託販売である以上、売れなければ返本として出版社に戻ってきます。
配本先の本屋で「売れない」と判断されると、書架に並ぶこともなく返本されます。
2.返本・買取にかかるコスト
返本された本は、出版社の倉庫に眠ることになります。
そして通常一定の期間が過ぎると廃棄されます。
これを著者が引き取る場合、本の買い取り費用を請求される場合があります。
これは、書店流通を全体とした自費出版も例外ではありません。
北斗書房では、必要部数からかけ離れて、たくさんの本をおつくりになることはお勧めしておりません。
過剰に印刷された本は、著者にとっても、その本にとっても不幸であると考えるからです。
本が詰まった段ボール箱が、いつまでもリビングを占拠している。
これを目にするたびに苦い気持ちになって、いつしか「自費出版なんかしなければよかった」と後悔の念に苛まれる。
著者と本にとって、これほどの不幸はありません。
今回の記事は、これから自費出版をお考えの方には、水を差すような内容かもしれません。
しかし、自費出版は本が完成して終わりではなく、ここから著者と本との長いお付き合いが始まるのです。
私共も、「一般的な」とか、「他の人は」でなく、著者と本にとってベターな印刷部数をご提案させていただきたいと考えています。
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自費出版の製本方法は、「ソフトカバー(無線綴じ並製本)」または「ハードカバー(糸綴じ上製本)」のどちらかが選ばれるのがほとんどです。
印刷物の製本方法には、他にもたくさんありますが、一定のページ数の「本」を見た目良く仕上げるためには、このふたつの製本方法が適しているからです。
この「ソフトカバー」と「ハードカバー」、弊社サイトのQ&Aにもあるように、その違いは見た目以上に色々とあります。
表紙(カバーをとった一番外側の紙)が柔らかいのが、ソフトカバーの大きな特徴です。
印刷された表紙と本文を糊止めして一度に断裁するため、表紙と本文は同じ大きさになります。
綴じた部分をご覧いただくと、表紙と一緒に糊止めをした状態がお分かりいただけると思います。
ハードカバーと比較すると、本自体がコンパクトで軽いこと、表紙がやわらかいので片手で読むことができる、また表紙と本文が同じ大きさなのでページがめくりやすい、といった点が優れています。
「気軽に手に取って読んでほしい」という本には最適です。
事実、弊社で刊行される自費出版のおよそ8割がソフトカバー製本でつくられています。
この他にも、市販の文庫本や実用書、コミック、ビジネス書のように、書店で見かける本の多くも、ソフトカバー製本でつくられています。
工程がシンプルなため、比較的安価に仕上がることがでるのも、優れた特徴の一つです。
表紙は「板紙」と呼ばれる厚めのボール紙を芯にして、表面に紙や布を貼り付けます。
本文は8ページまたは16ページ単位で糸綴じを行い、これを完成した表紙に貼り付けます。
そのため、表紙は本文よりもひとまわり大きくなります。
写真はハードカバーの綴じ部分を拡大したものです。
本文だけで先に糸綴じを行ってから、仕上げた表紙に貼り付けています。
表紙の背と本文の背の間に隙間があり、そのために本を大きく開くことができます。
ハードカバーの最大の特徴は「耐久性」にあります。
分厚い板紙を芯にした頑丈な表紙があるため、本文は角が折れたり曲がることから守られています。
また、スピン(紐のしおり)や花布(背の飾り)が付くため、見た目にも上質感のある仕上がりになります。
このような理由から、ハードカバーは、記念誌のような長く保管する本にも用いられます。
一方費用面では、工程が複雑なため、ソフトカバーと比較すると費用は高額になります。
また、製本にかかる日数も大きく増えます。
比較的低コストでつくれて、気軽に手に取って読みやすいソフトカバー。
費用はそれなりにかかるものの、耐久力に優れて重厚感のあるハードカバー。
それぞれの特徴を端的に述べると、このような感じでしょうか。
もちろん「必ずこうでなければならない」というものではありません。
本が完成したあとの使い方、自分の本がどのように読まれるのか、色々と想像して柔軟にお考えいただければと思います。
北斗書房では、店頭にソフトカバーやハードカバーで仕上げた作品を展示しています。
お気軽にご来店いただき、手に取っていただければと思います。
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これまでに弊社より刊行した作品や紙見本などをご覧いただきながら「ゆっくり」「じっくり」ご相談いただけます。
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巷にあふれる印刷物を見ると、実にいろいろな種類の紙があります。
質感や色、ツヤの有無など、実に様々です。
紙の選択は、本の仕上りに大きく影響します。
小説やエッセイのような文字が主体の本と、画集や写真集に代表される図版が主体の本では、適切な紙は異なります。
イメージ通りの本に仕上げるためにも、紙選びは大変重要です。
ここでは、本文紙によく用いられる紙をご説明させていただきます。
上質紙
コピー用紙やノートなどにもよく用いられます。
光沢が無いので文字が読みやすいことから、学術機関の論文集や、行政機関の報告書などによく用いられます。
表面は少しざらついた質感で、筆記用具での書き込みにも適しています。
反面、カラー印刷に用いると、色がくすんで表現されますので、絵や写真を綺麗に見せようとする場合には不適切な紙となります。
コート紙・マットコート紙
どちらも、上質紙の表面に白色顔料を塗って滑らかに加工した紙です。
白色顔料を塗るのは、インクの発色が良くするためで、写真集や画集などの美術書の本文用紙の他、カラー印刷のチラシに適しています。
表面に光沢があるものをコート紙、顔料を塗布した後にツヤ消し加工を施したものをマットコート紙と呼びますが、製造工程はほぼ同じなので、特性もよく似ています。
一般的に、ツヤが有って見た目が華やかなコート紙はチラシやパンフレットに、余白がツヤ消しで落ち着いた感じのマットコート紙は写真集や画集に用いられることが多いようです。
書籍用紙
書籍用紙は冊子の本文専用につくられた紙です。紙質は上質紙に似ていますが、紙の色は淡いクリーム色で、これは紙の製造工程で染色していることによります。
小説や自分史のような本の場合は、長時間文章を読むことになります。このため、紙の白色度を下げた淡いクリーム色の紙を用いることで、目を疲れにくくします。
また、腰が柔らかくページがめくりやすいことも特徴です。
上質紙と比較してややコストは上がりますが、読み物の本文紙としては最適で、北斗書房ではほとんどの場合この用紙をお勧めしています。
この他にも、特殊な紙はたくさんあります。
店頭にサンプルを取り揃えていますので、本の装丁でお困りの方はぜひご相談ください。
北斗書房では、作品の内容や用途に応じた様々なご提案をさせていただきます。
是非お気軽にご相談ください。
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自費出版に関するご質問やご希望など、何なりとお尋ねください。
自費出版制作を相談するために出版社や印刷所を訪れると、必ず尋ねられる質問です。
本づくりで決めなくてはならない仕様はたくさんあります。
プライベートで本をつくる機会はあまりないでしょうから、何を決めるのか見当もつかないかもしれません。
ある程度は「おまかせ」も可能ですが、せっかくつくる世界で1冊の本ですから、希望する完成イメージだけでもしっかりお伝えになることをお勧めします。
本の仕様は、大きくは「本の大きさ」「ページ数」「部数」などが挙げられます。
予算を知りたい場合は、これらの仕様をある程度決めておくとよいでしょう。
本の大きさ
制作する本の内容によってある程度大きさは決まります。
画集や写真集のように、図版を大きく見せたい場合は、B4判やA4判が良いでしょう。
自分史や小説、句歌集のような、手に取ってじっくり読ませたい本は、やや小ぶりのA5判やB6判をお勧めします。
ページ数
こちらも内容によってページ数の予想の立て方が変わります。
例えば画集の場合は、例えば1ページに1作品を掲載するのでしたら「作品点数+α」でおよそのページ数が予想できます。
自分史や句歌集のような「文字もの」の場合は、1ページに何文字入れるのか、写真はどのくらい掲載するのかによってページ数が変わります。
実際は、相談の場で打ち合わせしながらページ数を想定することが多いです。
部数
「どのように配るのか」「どのくらい売れそうか」によって決まります。
部数はギリギリの数を設定するのではなく、少し余裕を持たせた方が良いでしょう。
例えば「身近な方に配る自分史」というイメージですと、年賀状を出されている枚数の、およそ1.2倍が必要な部数の目安といわれています。
この他にも「印刷の色数(モノクロ/カラー)」「用いる紙」「製本方法」によって、掛かるコストや時間は大きく変わります。
弊社ホームページにも、本に仕様についてのQ&Aを掲載しております。
ご参考になりましたら幸いです。
北斗書房では、作品の内容や用途に応じた様々なご提案をさせていただきます。
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