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新・洛中徒然(二)重陽の節句

指に入る風はや寒し今の菊 嵐雪

重陽の節句は五節句のひとつで、中国の風習が起源とされています。陰陽思想では、奇数は縁起が良い「陽数」と考えられ、その陽数のなかで最も大きい9が重なる9月9日を、陽が重なる「重陽の節句」として、不老長寿や繁栄を願う行事が行われました。
重陽の節句は、平安時代に中国から伝来し、当初は貴族の行事として宮中で行われていました。その後世間一般に広まり、江戸時代には端午の節句や七夕同様、五節句のひとつとされました。

古来より菊は邪気を払うといわれ、重陽の節句には菊を使った様々な行事があります。
不老長寿を願い夜露と菊の香りが移った真綿で体を拭く菊綿や、菊を見て歌を詠みその優劣を競う菊合わせ、乾燥した菊の花びらを詰めて作る「菊枕」は、司馬遼太郎の小説『竜馬がゆく』にも登場します。
また、花札の九月札は「菊」ですが、20文札は「菊に盃」で、これも重陽の節句に由来するそうです。
重陽の由来には別の説もあります。池間里代子先生の論文「花札の図像学的考察」では、次のように述べられています。

菊は中心から放射線状に花が咲き, どの花よりも球形に近く咲く。そもそも菊の占字は繭である。そこで「太陽」を連想させるのである。つまり菊は太陽のメタファーなのだ。そこで九月九日は重陽節として重要な節句となった。
(流通経済大学社会学部論叢19(2), 2009-03)

暦が太陰暦から太陽暦に変わり、重陽の節句が菊の花が咲く季節からずれたことで、このような風習はあまり行われなくなりましたが、現在でも社寺の行事として残っています。

参考文献
『9月の京都』2016年 淡交社
『日本の年中行事事典』2012年 吉川弘文館

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