本書は、(財)琵琶湖・淀川水質浄化研究所の所長を務めている、いわば『水のプロ』である著者が、旅行をかねた名水探訪の記録をまとめたものです。
日本全国に、昔から伝わる故事、飢饉や天災などのときに、地元の人の命の水となった湧水が数多く保存され残されています。 これらの名水の中から環境省の選考委員会で検討され、昭和60年に「昭和の名水百選」が選ばれ、約25年後の平成20年に「平成の名水百選」が選ばれてい ます。
水資源に豊富な日本に暮らしていると、なかなか水のありがたさを感じる機会は少ないと思いますが、東日本大震災の発生により、 日頃あたり前のように手に入れることができる水のありがたさを感じた、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本書は、(財)琵琶湖・淀川水質浄化研究所の所長を務めている、いわば『水のプロ』である著者が、旅行をかねた名水探訪の記録をまとめたものです。 訪問エリアは近畿・北陸から四国、山陰まで及んでいますので、本書を参考に、お住まいの地域の名水を訪ねてみてはいかがでしょうか。
近畿一円、四国地方、山陰地方、北陸地域で約45箇所の名水を訪ね、50銘柄のサンプルを採水し、水質を分析した。 これらの探訪記録を大きく6つに区分し、 訪ねた名水の現況と水質特徴をまとめることとした。各地の名水の状況と測定数値を上記の値と見比べてもらうことで、どの水が含有物が少ないか、あるいはど の水が身体に効きそうかとか、 コーヒーの水としたら美味そうかといった話の材料になれば幸いである。
また、表題に含まれる5000kmとは、我が家のプリウスで駆け巡った延べ走行距離の概略値であり、まだまだ地球赤道周りの8分の1周でしかない。
(はじめに より)