ブログ|京都 下鴨 洛北の出版社「自費出版の北斗書房」

2016年1月

良い文章の書き方 その2

前回のブログで「良い文章は読みやすい」というお話をしました。
読みやすいということは、言い換えれば読んでいて違和感のない文章ともいえます。
例えば「標記の不統一」は読み手が違和感を覚える大きな要素のひとつです。
今回は、表記を統一するためのポイントについてご説明します。

 漢字や数字の統一
1冊の本のなかで、同じ意味の言葉が統一した表記になっていないと、読み手はその違いに何か意味があるのではないかと考えてしまいます。
読み進む途中で何度も表記の不統一があると、読み手のストレスになってしまいます。
これは、漢字・平仮名どちらでも表記できる言葉によく見られます。
平仮名表記で統一すると文章の印象が柔らかくなりますし、逆に漢字表記で統一するとやや硬い印象の文章になります。

【漢字と平仮名の表記例】

  • 明らか/あきらか
  • 皆様/みなさま
  • 暫く/しばらく
  • ~の様に/のように
  • 下さい/ください

また、副詞や接続詞は漢字ではなく平仮名で表記することが望ましいとされています。

【副 詞】

  • 予め→あらかじめ
  • 未だ→いまだ
  • 更に→さらに  など

 

【接続詞】

  • 然し→しかし
  • 或いは→あるいは
  • 又→また    など

 

意味により漢字と平仮名を使い分ける場合
「時」「事」「物」の単語は、用いられる意味によって使い分けます。
抽象的な事柄として用いる場合は平仮名に、具体的に特定できる事柄に対して用いる場合は漢字で表記するのが良いでしょう。
パソコンやワープロで原稿を執筆すると、簡単に漢字変換ができてしまうので、ついつい文章のなかに漢字が増えてしまいがちです。
もちろん、必要なところは漢字にすべきですが、あまりに漢字が多すぎる文章も読みづらい文章になります。

執筆途中の原稿でも、気になるところがあればお気軽にご相談ください。
北斗書房の自費出版アドバイザーが、作品に最適な漢字と平仮名のバランスをご提案します。

良い文章の書き方

文章には色々な表現方法があります
また表現の自由が憲法で保障されている日本では、原則としては何をどのように表現しても良いことになります。
ただし、表現するのは自由ですが、それが意図どおり他者に伝わるのかは別問題です。

さて、良い文章とはどんな文章でしょうか。
作家や読み手の好みもありますので、一概に説明し難いところではあります。
ただ、良い文章は読みやすいということは言えるのかも知れません。

これは、自費出版作品においても同様のことがいえます。
読み物として自費出版作品をつくる場合は、文章を通じてメッセージを発信することになります。
そして文章で情報発信をする以上、文法的な決まりごとに沿った文章の方が読みやすく、より伝わりやすいものになるのではないでしょうか

今回は、そんな文章を書く上での注意点をご紹介します。
まずは、どのようなジャンルの文章を書く上でも重要となる、基本的な文法を確認しましょう。
どれも学校の作文の時間に教わったような内容ですので、ご存知の方も多いと思います
ここで一度、確認も兼ねてご紹介します。

 

1.段落の文頭は文字分空ける(字下げ)

段落の変わり目では、最初の文章の頭を1文字空けて書き出します。
印刷業界では字下げとも呼ばれます。
横書きレイアウト雑誌などで、視覚的に行頭面を揃えることを重視して、この字下げを行わない場合もありますが、原則としては段落の最初の文章はこの字下げを行います。

 

2.会話には「」(カギカッコを付けて、改行して行頭から書く

会話の部分は「」をつけ、改行して行頭から書きます。

(例)
太郎は言った。
「今日は、いい天気ですね」

 

3.「」で括った会話文には句点を打たない

「」で括られていることで1文の終わりと分かるので、閉じカッコの前後に句点は不要です

(例)
×「今日は、いい天気ですね」。
×「今日は、いい天気ですね。」
○「今日は、いい天気ですね」

会話文の後に、別の文章が続く場合は、閉じカッコの後に句点を打ちます。
また、会話文が連続するときは、間に句点を打ちません。

(例)
×「昨日は、いい天気でしたね」太郎は言った。
×「昨日は、いい天気でしたね」。「今日いい天気になりそうです
○「昨日は、いい天気でしたね」。太郎は言った。
○「昨日は、いい天気でしたね」「今日いい天気になりそうです

 

4.「!」と「?」の使い方

「!」や「?」の記号が出てきた後は、1文字分空けます
ただし、台詞の最後の場合でカッコを閉じる場合は、その必要はありません。

(例)
あれ? 山田さん?」私は、信号待ちで立ち止まった古い友人に声を掛けた。

 

文章の書き方はそれだけで本が書ける程、内容は多岐にわたります。
今回ご紹介したのは、基本的なほんのごく一部です。

文章の書き方や表現方法で悩まれた時は、お気軽にご相談ください。
担当者が丁寧にお教えいたします。

字詰めと行詰め―読みやすい本にするために

FB0116•¶ŽšƒTƒCƒY•

読みやすい本に仕上げるためには、本の紙面設計が大切です。

紙面設計とは、大まかにいうと紙面に文字や写真などのパーツをいかに配置するかということです。
本を貰ったが、小さな文字がびっしり詰まっていて、読んでいるだけで疲れてしまう。
そんな本では、せっかく知恵を絞って書いた作者のメッセージが伝わりません。
バランスよくパーツが配置された読みやすい本は、それだけで読み手にメッセージが伝わりやすい本になります。

文字の大きさ
本文文字は、9~11ポイント位の大きさが標準的です。
文字の大きさは、本の大きさや読み手の特性によってある程度決まります。
例えば、ご年配の方や児童向けの本でしたら、文字は大きめにする方が良いでしょう。
一方、学術書や若年層向けの場合は、9ポイントが良く用いられます。
文字の大きさは、本の内容や読者対象を考慮しながら設定されます。

字数と行間
字数と行間(行と行の間隔)も読みやすさを左右する大切な要素です。
1行の字数が多くなると行の長さが伸びますので、視線の移動距離が大きくなり目の負担が大きくなります。
字数が少なければ良いかというと、必ずしもそうではなく、その分改行位置が増えますので、視線の移動回数が増えてやはり読みづらい本になります。
これは行間にも同様のことが言えます。
行間が狭すぎると大変読みづらい紙面になります。
読みやすい行間の目安として、文字の大きさの6~8割位を空けると良いと言われています。

四方の余白
四方の余白も読みやすさを左右します。
あまりに余白の狭い紙面は窮屈な感じがして、読んでいて息苦しくなります。
A5判の本でしたら、少なくとも20ミリ前後は余白を設けたいところです。
これは本の大きさや文字の大きさによっても異なります。

今回ご説明したことは、本来出版社や制作会社からご提案差し上げることですが、予備知識としてご存知いただくと、本づくりの楽しさが増えると思います。

北斗書房では自費出版ご相談を随時受け付けております。
原稿や作品の企画をお持ちいただけましたら、最適な紙面設計をご提案します。
また、これまでお作りした作品も常に店頭掲示しております。

どうぞお気軽にご相談ください。 →お問い合わせはこちらから

年賀状で自費出版?

新年あけましておめでとうございます。
今年は大変暖かく過ごしやすいお正月になりました。
皆様におかれましても、素晴らしい1年となりますことをお祈り申し上げます。

 お正月といえば年賀状、年始のご挨拶はもちろんですが、思いもかけない友人知人の近況を知ることもあったり、毎年凝った年賀状を作る方がおられたりと、なかなか楽しいものです。

 実は弊社のお客様で、年賀状とメモ帳の記録から作品をつくられた方がおられます。

その方は大学の先生をされており、毎年教え子の方に年賀状を出されていたのですが、そこに新年の雑感を毎年記しておられました。

その内容は、当時の世相やニュース、あるいはご自身の専門分野に関わる学術的なものまで多岐にわたり、年賀状の文面というより短いエッセイのようなものでした。
これと、日々手帳に書き留められた文章をまとめ、1冊の作品に仕上がりました。

作品は、ご本人の米寿のパーティーで、記念品として教え子の皆さんに進呈されました。
受け取られた教え子の皆さんにとっても、先生の想いのこもった素敵な思い出の品になったことでしょう。

意外なものが、意外な形で自費出版の素材になることがあります。
私共も、固定観念にとらわれず、柔軟な発想で自費出版制作に取り組まねばと、あらためて考えさせられる作品でした。

2016年も、著者に寄り添い「想いをカタチにする」自費出版のお手伝いをさせていただきます。

「こんな本を作ってみたい」「これは原稿になるのだろうか」
そんなご相談、喜んでお引き受けいたします。
どうぞお気軽にご相談ください。 →お問い合わせはこちらから

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。