ブログ|京都 下鴨 洛北の出版社「自費出版の北斗書房」

2015年5月

本は誰のもの?~出版スタイルで変わる本の所有権と内容責任~


商業出版と自費出版の大きな違いのひとつは「完成した本は誰のものか」です。
このことは、本の内容に誰が責任を持つのかとも深くかかわっています。
今回はこのあたりのお話をさせていただきます。

商業出版
商業出版の場合、完成した本の所有権は出版社にあります。
出版社は本を売ることで利益を獲得します。そのために、原稿料や制作費用などの「コスト」を投入して本を作ります。だからこそ、出版社は「売れる本」にするための、最大限の努力をするのです。
場合によっては、著者に対して内容の訂正を求めるケースもあります。

販売に際しても、価格を幾らに設定するのか、どのような販促を行うのか、完売後は重版(本を増刷すること)するのか、逆に廃版にするのか、全てが出版社の判断になります。
このような経緯から、商業出版の場合は所有権と内容に対する責任は出版社が持ちます。

著者には、完成本のうち何冊か進呈されますが、それ以上の冊数を求める場合、出版社から本を買い取ることになります(割引があるようですが、割引率は契約により異なります)。


自費出版
自費出版の場合は、制作費用を著者が負担しているわけですから、完成した本は著者のものになります。
どんな装丁でどんな仕上りの本にするかは、著者の自由です。自分の好きなデザインで、自分の想いをカタチにすることが出来るのです。

著者の所有物ですから、公序良俗に反しない限り、内容は著者の意向が100%反映されます。
その一方で、内容に関する責任も著者にある、ということになります。

費用を著者が負担し、内容も著者の意向がほぼ反映されることから、完成した本は著者のものになります。また、内容に関する責任も著者ということになります。

せっかくの自費出版作品ですから、本づくりをお考えの際には、信用のおける出版社と打ち合わせしながら、内容もしっかりと吟味されることをお勧めします。

「共同出版」「共創出版」「協力出版」などの名称で出版を勧める出版社の場合、著者と出版社がそれぞれ費用を負担している形になりますので、完成した本の所有権などは契約条件により異なります。
この点は、本の完成後に起きやすいトラブルのひとつですので、正式に依頼される前に、契約条件を確認されることをお勧めします。

北斗書房では、「自費出版」の完成本は著者のものというスタンスを取っています。
また、専属の校正スタッフもおりますので、原稿に関するご相談もお受けしております。
どうぞお気軽にお問い合わせください。

ブログ開設のごあいさつ

これまで、フェイスブックページのノートでブログらしきことを書き溜めてまいりましたが、このたび、北斗書房サイトにブログを移行させることとなりました。
自費出版をお考えの皆様に、少しでもお役にたてる情報をご案内したいと考えております。

自費出版という言葉は、すでに世間一般にも広く浸透し、皆さんも一度位は耳にされたことがあると思います。
数年前に大手出版社のプロモーションで巻き起こった「自費出版」ブームも、様々な課題を残しながら終息を迎えて数年。
また昨今はインターネットの普及によって、業界の仕組みや制作の工程もより明確に公開されつつあります。
逆に今こそじっくり腰を据えて、自費出版づくりに取り組める状況にあるのではないかと考えます。

「自分の半生をまとめたい」

「趣味や学業の成果を作品集として記録に残したい」

「家族や知人にメッセージを伝えたい」 などなど…

そんな想いをカタチにできるのが、自費出版です。

ここでは、自費出版に関するあれこれをご紹介したいと考えています。
この場を通じて、すこしでも多くの方に自費出版のことを知っていただき、興味を持っていただければ、これほどの喜びはありません。

どうぞよろしくお願い申し上げます。