ブログ|京都 下鴨 洛北の出版社「自費出版の北斗書房」

2017年2月

自費出版と文豪

「自費出版」という言葉が世に出て久しくなります。
自分の作品を本にして「出版」することは、もはや誰にでもできることになりました。
意外に思われるかもしれませんが、著名な文豪と呼ばれる人たちの多くも自費出版で本を作っています。
その事情は様々ですが、自費出版に至るエピソードからは、文豪達の「自分の作品をどうにかして世に出したい」という、熱い情熱が感じられます。
それらのなかから何冊かをご紹介させていただきます。

『黒 潮』 徳冨 蘆花(1868~1927)

兄の徳富蘇峰が経営する民友社の記者をするかたわら、小説『不如帰』や随筆小品集『自然と人生』を発表して作家的地位を確立しました。
その後、思想的な違いから民友社を去り『黒潮』を自費出版しました。
巻頭には兄との決別を告げる「告別の辞」を掲げられており、当時の決意が偲ばれます。

 

『破 戒』 島崎 藤村(1872~1943)

詩人として出発した島崎藤村ですが、その後小説家に転身しました。
小説家として初の作品を出版するにあたり、以前の出版社に対する苦い経験から自費出版を決意しました。
親戚や友人に借金して集めた610円(当時)を資金にして自費出版された処女小説『破戒」は、夏目漱石や島村抱月に絶賛され、たちまち初版千五百部を完売したそうです。
島崎藤村はこの他にも『春』と『家』の二作品を自費出版で発表しています。

 

『注文の多い料理店』 宮沢 賢治(1896~1933)

第一童話集にして、生前唯一の童話集の本書は、自費出版により28歳の時に発表されました。
1,000部印刷されましたが、当時は一部の詩人を除いてほとんど評価されませんでした。
死後にわかにその評価が高まり、現在ではこの童話集は日本児童文学を代表する一冊とされています。

(次回に続く)

3月度自費出版相談会のお知らせ

予約制ですので「ゆっくり」・「じっくり」ご相談いただけます。
まずは自費出版に対する疑問、ご希望をお聞かせください。
原稿の作り方から冊子の装丁まで、丁寧にサポートします。
ご相談、お見積は無料です。どうぞお気軽にご相談ください。

日時:

①  3月3日(金) 9:00~18:00

②  3月4日(土) 9:00~18:00

③  3月18日(土) 9:00~18:00

④  3月22日(水) 9:00~18:00

 

相談会は予約制となっております。
お問い合わせフォーム、またはTEL・FAXにてお申し込みください。

3月度自費出版相談会のお知らせ

3月度の自費出版相談会を開催します。
予約制ですので「ゆっくり」・「じっくり」ご相談いただけます。
まずは自費出版に対する疑問、ご希望をお聞かせください。
原稿の作り方から冊子の装丁まで、丁寧にサポートします。
ご相談、お見積は無料です。どうぞお気軽にご相談ください。

日  時

①  3月3日(金) 9:00~18:00

②  3月4日(土) 9:00~18:00

③  3月18日(土) 9:00~18:00

④  3月22日(水) 9:00~18:00

 

会  場

北斗書房

(株式会社 北斗プリント社内)

※周辺地図および交通アクセスの詳細は、こちらをご覧ください。

お申込み方法

相談会は予約制となっております。
お問い合わせフォーム、またはTEL・FAXにてお申し込みください。

当社の特徴

専門の「自費出版アドバイザー」が対応いたします

「自費出版アドバイザー」とは、良質な自費出版物制作を提供する「専門家」として、NPO法人自費出版ネットワークが認定する資格です。
北斗書房の担当者は「自費出版アドバイザー」を取得しております。
原稿作成から装丁まで、懇切丁寧なご提案をさせて頂きます。
どうぞお気軽にご相談下さい。

 

60年の歴史「本づくり」の専門会社です

1975年頃の当社

永年積み重ねてきた本づくりのノウハウにより、作品の内容にふさわしいレイアウトや装丁などを、その用途やご予算に応じて総合的にご提案することが出来ます。
また、英語をはじめとする外国語や、難易度の高い数式・化学式も対応が可能です。
長年大学様の学術書論文集や研究報告書の制作で培ったノウハウは、お客様の自費出版作品を、読みやすく、また見た目にも美しい仕上がりでご提供します。

大学様との長年にわたるお取引がございます

創業当初より京都市内のほとんどの大学様とお取引をさせて頂き、学術論文集や研究報告書をはじめとするお仕事をさせて頂くなかで、本づくりのノウハウを蓄積して参りました。
丁寧な仕事の進め方を評価して下さる多くのお客様と、長年にわたるお付き合いをさせて頂いております。

全工程社内制作です

北斗書房の母体である「株式会社 北斗プリント社」は印刷会社であることから、編集から印刷・製本まで自社内で対応致します。
全ての工程において、専属スタッフが制作に取り組み、品質に目の行き届いた「ものづくり」により、お客様にご満足頂ける本をお作り致します。

【洛中徒然(5)】お正月と日の丸の旗

お正月や祝日などの「旗日」に日の丸の旗を門に立てている家を見ることも少なくなりました。
これは伝統文化が色濃く残る京都でも例外ではありません。
目に付くのは一部のタクシーがバンパーに日の丸の旗を付けているくらいでしょうか。

年配の方にお話を伺うと、国民学校(当時の小学校)では、唱歌の授業で『日の丸の旗』を歌い、国旗掲揚台に向かって最敬礼をしたといいます。
この歌は現在でも文部省唱歌として小学校の音楽の授業で歌われていますので「白地に赤く 日の丸染めて……」の歌詞を覚えておられる方は多いと思います。

日の丸のデザインは、平成11年に施行された「国旗・国歌法」で定められ、正確には「日章旗」と呼ばれます。
その意匠は「旗の形は縦が横の3分の2の長方形。日章の直径は縦の5分の3で中心は旗の中心。色地は白色、日章は紅色」と定められています。

日本でこの旗を用いるようになった経緯には諸説ありますが、一説には「源平合戦」の際に源氏が旗印として用いたことに由来するといわれています。
以来、源氏の末裔を名乗る戦国武将は、必ず旗印に日の丸の幟を用いたそうです。

明確に日本の国旗として用いられたのは18世紀末ごろ、ロシアの南下政策に対する警戒のために出させた御用船に日の丸を施した旗を使用したことが、国旗として用いられた始まりのようです。

第二次大戦後、連合軍総司令部の指示により、公共機関や家庭での日の丸掲揚を禁止した時期がありましたが、昭和24年9月にはその禁が解かれました。

法律で日本の国旗に定められたのは平成11年ですが、実に千年以上の昔から日本を象徴する旗として用いられたことになります。
これほどの長きにわたって使われ続けたデザインは他に例を見ません。

3年後の2020年には、東京でオリンピック・パラリンピックが開催されます。
出場されるアスリートの皆さんのご活躍によって、多くの「日の丸」が掲揚されることを願ってやみません。

2月度自費出版相談会のお知らせ

予約制ですので「ゆっくり」・「じっくり」ご相談いただけます。
まずは自費出版に対する疑問、ご希望をお聞かせください。
原稿の作り方から冊子の装丁まで、丁寧にサポートします。
ご相談、お見積は無料です。どうぞお気軽にご相談ください。

日時:
2月4日(土) 9:00~18:00 ※終了しました
2月15日(水) 9:00~18:00

相談会は予約制となっております。
お問い合わせフォーム、またはTEL・FAXにてお申し込みください。

弊社作品が紹介されました ― 引用の実例

2016年12月に東京堂出版から刊行された『地名が語る京都の歴史』(糸井通浩・綱本逸雄編 4,860円)で、弊社より刊行しました『先斗町地名考 ポントの謎を解く』が引用として取り上げられました。
この本は、平安朝以前から近代まで、京都の歴史を地名から説いたもので、古代、平安王朝時代、鎌倉・室町時代時代前期、天下人の時代、近世、幕末から現代の6章立てで12人が執筆されています。
『先斗町地名考』は、その中の第5章「近世文化都市の興隆」で取り上げられています。
 以下に、引用部分をご紹介します。
下線部分が『先斗町地名考』の引用箇所です。

(P362「先斗町通」より)

先斗町通は、寛文期の大改修によって造られた。木屋町通の一筋東側で、三条通の一筋南から四条通に至る通りをいう。先斗町は京都の難読地名で有名であり~諸説が示されてきた。杉本重雄は、家々が鴨川に面した先ばかりに建ち並ぶ景勝の地であり、その北端がかつて先(首)が並べられた刑場であったことから、カルタ賭博用語「ポント(先斗)」(「先ばかり」の意味)との洒落で名付けられたと説く(『先斗町地名考』)。

(引用ここまで)

また、巻末の参考文献にも「杉本重雄『先斗町地名考―ポントの謎を解く』北斗書房 二〇一五」と記載されています。

以前のブログ(引用とは ― 著作権法で定義する4つの条件 ―)で、引用の定義として次の4点を挙げました。

  1. 引用が、オリジナルの文章(本文)を表現するために必要であること
  2. 量・質共に自分のオリジナルな文章が主であり、引用部分が従であること
  3. 引用部分とその他の部分が明確に区別し引用文は改変しないこと
  4. 引用された著作物の出典が明示されていること

1は、その文面から著者の論旨を補強するため引用されており、また2も、引用の文章量が明らかに少なく、どちらも引用の条件を満たしています。
3の引用部分の区別は「杉本重雄は~と説く」とすることで、著者以外の記述箇所が明確に区別されています。
4の出典に関しては「参考文献」に明示され、これも条件を満たしています。
この本は、商業出版として刊行されていますから、引用への配慮は充分にされており、条件を満たしていることは当然なのですが、自費出版で引用を行う際の参考にしていただければ良いかと思います。

いずれにしましても、このような京都の地名研究書に引用として用いられるということは、ある意味元の本の内容が信頼に足ることを、専門家から認められたともいえます。

そのような本を手掛けられたことに、私共も喜びを感じます。

2月度自費出版相談会のお知らせ

予約制ですので「ゆっくり」・「じっくり」ご相談いただけます。
まずは自費出版に対する疑問、ご希望をお聞かせください。
原稿の作り方から冊子の装丁まで、丁寧にサポートします。
ご相談、お見積は無料です。どうぞお気軽にご相談ください。

日時:
2月4日(土) 9:00~18:00 ※終了しました
2月15日(水) 9:00~18:00

相談会は予約制となっております。
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