ブログ|京都 下鴨 洛北の出版社「自費出版の北斗書房」

2015年12月

年末年始のご案内

北斗書房の年内営業日は2015年12月25日(金)までとなっております。
2016年は1月4日(月)より営業を開始いたします。

今年も著者様の熱い想いのこもった作品にたくさん出会うことができました。
この場をお借りしまして、厚く御礼申し上げます。
2016年も、著者に寄り添うアドバイザーとして、想いをカタチにするお手伝いをさせていただくべく、より一層の精進を重ねます。

皆様どうぞ良い年をお迎えください。

ヨコのものをタテに:その2 ―英文の場合

前回(ヨコのものをタテに ―数字の表し方について)をご覧いただいた方から「英文の場合はどうなるのか」というご質問をいただきました。
せっかくのご質問ですので、今回は縦組みの場合の英文表記をお題にします。

まず結論から申しますと、数字と同じく明確な規格は定められていません。
そのなかでも、一般的に用いられる方法をご説明します。

まず原則としては、アルファベットの表記はすべて横倒で組むことが一般的です。
縦組みの本で、アルファベットで記された長い単語や、ホームページのアドレスが横向きにレイアウトされている本をご覧になった方もおられると思います。
ただ例外として、USAやDVDなどの略称は日本語と同じように縦組みにします。
これも共通の規格は無く、編集部や著者の判断で独自のルールが定められています。

この他には、日本語表記に置き換えてしまう方法もあります。
例えば「42.195㎞」を「四二・一九五キロ」のように、出来るだけ縦組みで表現できるように言葉を置き換えることです。
置き換える際には「算用数字とアルファベット」「漢数字とカタカナ」というグループにまとめて考えると整理しやすいでしょう。

やむを得ない場合もありますが、横向きのアルファベット表記が多くなると本としては読みづらくなりますので、北斗書房では可能な限りこの方法をお勧めしています。
どう修正するかのご提案もさせていただいていますので、お気軽にご相談ください。

ヨコのものをタテに ―数字の表し方について

前回(「文字組み」の悩ましさ)では、縦書き・横書きどちらでも表示できる日本語の特徴と、その使い分けについてお話しました。

そのなかでも特に悩ましいのが、数字の表記です。 

「横組みは算用数字、縦組みは漢数字」というのが基本原則なのですが、漢数字には2種類の表示方法があります。
ひとつは「十方式」、もうひとつは「一〇方式」です。

日本語本来の書き方は伝統的に「十方式」が用いられてきました。
古文書などで「壱千弐百参拾四」などの表記を目にした方もおられるかと思います。
ただこの書き方ですと、桁の大きい数字は読み辛くなります、そこで算用数字の表記をそのまま漢数字にあてはめた「一〇方式」が考え出されました。

 一般的な本では、基本は「十方式」で、西暦や単位記号が付く数字などは「一〇方式」という使い分けが良く用いられます。
ただし、統計資料に代表される、数字が主役の本の場合は「一〇方式」で統一される場合もあります。

この使い分けですが、実はJIS規格のような明確な決まりはありません。
全国紙の新聞各紙も、個々の判断で独自にガイドラインを定めているのが現状です。
ある作家さんは、ご自身のエッセイの中で「何となくではあるが自分なりのルールを決めて数字の表記をしている」と書かれていました。
それ位、数字の表記方法は悩ましいといえるのでしょう。

自費出版制作に携わる者として、また最初の読者として原稿に向き合い、最初に考えることは「どんな本に仕上げるか」です。
そのため、原稿をしっかり読み込むことを心掛けています。
作品の内容や性格付けが明確にイメージできると、おのずから数字表記の方針も明らかになります。

作者様と共に、この悩ましくも楽しい時間を共有したいと考えております。

「文字組み」の悩ましさ

ご存じのとおり、日本語の文章には「縦組み」と「横組み」があります。
本来日本語は、縦書きの文化ですので、その意味では日本語の組版は「縦組み」が本筋ということになります。

とはいいながら、横組みの書籍や雑誌は巷にあふれていますし、看板などの掲示物でも横組みのものを多く見かけます。
これは、明治以降外国の文化と共に外国語が入り、これを表記するときに横書きの方が都合が良かったのでしょう。
日本で出版物に横組みが現れるのは、18世紀後半に蘭学が紹介されてからのことだそうです。

現在、自治体や学校の報告書、学術書などは「横組み」が大勢を占めます。
その一方、句集や歌集、小説などの読み物の場合は、「縦組み」が主流になります。
縦組みと横組み、どちらにするかの明確な決め事はありませんが、やはり読み物の場合は縦組みがしっくりくるように思います。

ただし何事にも例外はあって、あるお客様の自分史をつくらせていただいた際には「長年ビジネス現場で慣れ親しんだ書式で自分史をつくりたい」という強いご要望があり、A4判の横組みで制作させていただいたことがあります。

また、学術書など、本文中に外国語の原文が入ったり、数式が入る本の場合は、たとえ日本語主体の文章であっても横組みの方が相応しい場合もあります。

北斗書房では、お書きになられた原稿を拝見しながら、著者様のご意向を踏まえ最適なご提案させていただきます。
どうぞお気軽にご相談ください。