「紀行文」という本のジャンルがあります。
旅の道中で体験したことを書き記した分のことで、「旅日記」「道中記」とも呼ばれています。
このジャンルが文学に登場するのは意外と古く、国内では紀貫之が土佐国(とさのくに)から京に帰る旅路を綴った『土佐日記』が最も古いといわれています。
紀行文は、時系列に順を追って綴るのが一般的ですが、特に決まりがある訳ではありません。
旅の終着点から書き出しても良いし、エッセイ的な構成にすることもできます。
もっといえば、俳句や詩で表現することも、絵や写真で表現することも出来ます。
その意味では、自費出版のなかでも表現方法に幅のあるジャンルといえます。
ともすれば、旅程の記録が主体になりがちな紀行文ですが、体験した出来事やその時の心情を中心にまとめると、ひと味違う仕上りになります。
その人にしか書けない、他では聞けない、そんなことが記された紀行文は、きっと唯一無二の貴重な1冊になる事でしょう
今回ご紹介するふたつの作品も、そんな稀有な体験や旅の記録が記されています。
室 達朗・展子 共著 価格 2,000円+税 |
南太平洋に浮かぶ小さな国のサモアで、シニアボランティアとして電力工事に携わり、首都アピアに2年間滞在されたご夫婦によるサモア滞在記です。
「地上最後の楽園」と云われるサモアの歴史、政治、経済、気候、言語、電力事情など、88話のテーマが、ご主人の写真と奥様の水彩画、共著によるエッセイで記されています。
国内でも数少ない、サモアの現在と日常が分かる1冊です。
森川 郁子 著 |
ユーラシア大陸内陸部に位置する国、モンゴル。
そのモンゴルで、縁あって2年9か月に渡り滞在することになった著者による手記です。
モンゴルの言葉や文化や風習について、著者自身がモンゴル語や馬頭琴を学んだ体験やその時の心情などを交えて詳しく記されており、読む人をモンゴルの大草原にいざないます。
記憶は時間と共に薄らいでいきます、旅の記憶もまたしかり。
紀行文は、その時の情景も感情も記録というカタチで残すことができます。
ひょっとしたら、その紀行文を片手にあらたに旅立つ方がおられるかもしれませんね。
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