ブログ|京都 下鴨 洛北の出版社「自費出版の北斗書房」

自費出版と校閲 その4

※「自費出版と校閲」に関するバックナンバー

自費出版と校閲

自費出版と校閲 その2

自費出版と校閲 その3

校閲士の凄腕エピソードをご紹介します。
大手出版社には凄腕の校閲者がたくさんおられます。
言葉の職人ともいわれる校閲者による伝説的なチェックには、枚挙に暇がありません。
テレビドラマとはちょっと趣は違いますが、有名なエピソードを列挙してみましょう。

 

ミステリー小説の場合
「東京から名古屋まで、自動車では高速道路を利用してもこの時間には到着しません」「主人公の自宅がマンションの1階に設定されていますが、前作の住まいは2階でした。」など、トリック成立の可否や前作との整合性にまで踏み込んでチェック。

時代小説の場合 その1
歴史的事実の確認にはじまり、忍者屋敷の複雑な構造や、部屋の間取り、扉の開け閉めが手前か奥か、物語の中で矛盾がないかチェックが入ったそうです。

時代小説の場合 その2
「中山道の〇〇の宿場の町はずれの地蔵堂で…」というシーンに対して「○○宿に地蔵堂が作られたのはこの数年後です」と史跡の歴史に照らし合わせて時系列の整合性のチェックが入りました。

時代小説の場合 その3
ある場所から別の場所を見る描写に対して「この時代ここにこういう建物があって(中略)よってこの場所から目的のものは見えません」という指摘が入って戻ってきました。

気象情報までチェック
小説の描写で作者が「まぶしいほどの月光」と書いたところ、小説上の日付に合わせた気象情報を確認して、ゲラに「現実の2012年6月9日も満月と下弦の間、描写に問題なし」というコメントが入りました。

これらの不具合は修正されたうえで印刷し市場に流れますので、私たちが手に取る本で確認することはまずありません。
しかし、これらの表に出ない校閲士の方々が日々言葉と格闘されているおかげで、私たちはより完成度の高い作品に触れることができるのです。
「校閲は出版物のクオリティを支える底力」といわれる理由もここにあります。

 

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