ブログ|京都 下鴨 洛北の出版社「自費出版の北斗書房」

知っておきたい著作権のあれこれ

著作権の歴史

著作権が世界的に広まったのは1886年に締結された、通称「ベルヌ条約」が始まりとされています。
このベルヌ条約によって現在の著作権の方向性が定められました。
日本は1899年4月18日に加入しており、同年に旧著作権法が制定されました。
1970年に現行著作権法へ全面改正されましたが、旧著作権法から数えると日本での著作権には140年近くの歴史があることになります。

 

日本の著作権

日本における著作権は、著作権法により「文芸・学術・美術・音楽の範囲で、思想や感情を創作した著作物」を保護されています。
思想や表現する意図で表現された制作物には、すべて著作権が発生します。
日本の著作権は、その取得のために申請や手続きは必要ありません。
著作物がつくられた時点で、その著作権が成立します。
ベルヌ条約にも「著作者の権利としての著作人格権および著作権の享有には、いかなる方式も履行も要しない」と明示されています。
ちなみにアメリカは1989年にベルヌ条約に加入しましたが、それ以前は著作権取得のために登録の手続きが必要でした。
「方式主義」と呼ばれ、登録された著作物には「コピーライト」マークの記載が必要でした。
日本の出版物でもこのコピーライトを記載した本が見られますが、ベルヌ条約に加入している日本では本来不必要なものです。

 

著作権の種類

著作権には、大きく分けて著作財産権と著作人格権との2つがあります。 

1.著作財産権

著作物を用いて利益を得る権利と言い換えることができます。

  • イラストをホームページや印刷物に掲載する
  • 個展を開き絵画作品を展示、販売する
  • 自費出版で本をつくり販売する

上記のような行為や、権利を他者に許可することで報酬を得る権利です。
著作財産権の保護期間は、原則として著作物を作った時点から起算し、著作者の生存している期間と、著作者の死後50年間とされています。
出版や映画のように商業的な要素も大きく、案件ごとの契約条件によって権利の範囲などが異なるため、侵害の有無を判断することが難しいのが実情です。
著作財産権の侵害を防ぐためには、著者を含む権利者に対してその都度確認をとることが、最も基本的でまた確実な方法です。

 2.著作人格権

著者の人格的な利益を保護する権利です。
著作財産権と違って子孫や他人に譲渡できません。
保護期間も、著作財産権とは違い、「著作者の生存している期間」に限定されます。
著者自身の名誉や功績を尊重する大事な権利です。
著作人格権の主なものには「公表権(公表する時期や方法を自由に決定できる権利)」「氏名表示権(著者名表示を選択できる権利)」「同一性保持権(意図しない作品の改変を防ぐ権利)」があります。

次回は、著作権侵害に当たる様々なケースをご紹介します。

 

北斗書房からのお知らせ
(くわしくはタイトルをクリックしてください)

2018年6月度自費出版相談会のお知らせ

これまでに弊社より刊行した作品や紙見本などをご覧いただきながら「ゆっくり」「じっくり」ご相談いただけます。
自費出版に関するご質問やご希望など、何なりとお尋ねください。

新ニュースレター「想いのカタチ」無料配布のご案内

自費出版に関するお役立ち情報をご提供するフリーペーパーです。
無料で定期配布しております。

自費出版のご質問にお答えします

紙のこと、装丁のこと、レイアウトについて、原稿の書き方など……
自費出版に関する疑問ならどんなことでも結構です。
お気軽にお問い合わせください。

Pocket