ブログ|京都 下鴨 洛北の出版社「自費出版の北斗書房」

著作権の定義を考える

自費出版と著作権2018」で著作権法で定められた著作物をご紹介しましたが、そもそも何を持って著作物と定義するのか、著作物とそうでないものの違いは何なのか、もう少し詳しくご説明します。

著作権法第2条1項1号には、著作物の定義が次のように記されています。

思想又は感情を創作的表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう

ここで要点になるのは「創作性」と「表現性」です。
この二つの条件を満たしたものが著作物と定義されます。
著作権は、プロが作成したものだけを保護するものではありません。
誰が作ったかは問題ではなく、著作物の定義に該当するかしないかという観点で判断されます。

創作性

創作性には、作った人の個性が表れていることが条件になります。
受賞の有無や世間的な認知は関係ありません。
お子さんが作ったやアマチュアの作品であっても、作品に個性が認められれば著作物となります。
「創作」というと、何か芸術的なものを連想しがちです。
また研究論文などのイメージから、学術的なものだけと捉えてしまいがちです。
しかし、実際にはこれに限らず、例えば誰かに宛てた個人的な手紙ようなものでも、そこに書いた人の個性が表れていれば創作性は認められます。

表現性

著作権で保護されるのは「表現」であり、その背景にあるアイデアは著作権法では保護されません。
例えば、ある料理人が秘伝のレシピを知っていたとしても、それ自体はアイデアですから、その料理人の頭の中にあるだけでは著作権法の対象外です。
仮に、別の人がそのレシピで料理を作っても著作権侵害は問われません。
しかし、この料理人がレシピを書籍にまとめたとしたら、これは著作物として扱われます。
この書籍を無断で転載したり私的目的以外で複製すると、著作権侵害になります。

 

なお、アイデアは特許法や不正競争防止法等で保護されます。
当ブログでは、アイデアの無断盗用や不正利用を推奨しているわけではありません、あくまで著作権保護の範囲を説明するための一例として示しました。
この点どうかご承知おきください。

 

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