ブログ|京都 下鴨 洛北の出版社「自費出版の北斗書房」

原稿の書き方

字詰めと行詰め―読みやすい本にするために

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読みやすい本に仕上げるためには、本の紙面設計が大切です。

紙面設計とは、大まかにいうと紙面に文字や写真などのパーツをいかに配置するかということです。
本を貰ったが、小さな文字がびっしり詰まっていて、読んでいるだけで疲れてしまう。
そんな本では、せっかく知恵を絞って書いた作者のメッセージが伝わりません。
バランスよくパーツが配置された読みやすい本は、それだけで読み手にメッセージが伝わりやすい本になります。

文字の大きさ
本文文字は、9~11ポイント位の大きさが標準的です。
文字の大きさは、本の大きさや読み手の特性によってある程度決まります。
例えば、ご年配の方や児童向けの本でしたら、文字は大きめにする方が良いでしょう。
一方、学術書や若年層向けの場合は、9ポイントが良く用いられます。
文字の大きさは、本の内容や読者対象を考慮しながら設定されます。

字数と行間
字数と行間(行と行の間隔)も読みやすさを左右する大切な要素です。
1行の字数が多くなると行の長さが伸びますので、視線の移動距離が大きくなり目の負担が大きくなります。
字数が少なければ良いかというと、必ずしもそうではなく、その分改行位置が増えますので、視線の移動回数が増えてやはり読みづらい本になります。
これは行間にも同様のことが言えます。
行間が狭すぎると大変読みづらい紙面になります。
読みやすい行間の目安として、文字の大きさの6~8割位を空けると良いと言われています。

四方の余白
四方の余白も読みやすさを左右します。
あまりに余白の狭い紙面は窮屈な感じがして、読んでいて息苦しくなります。
A5判の本でしたら、少なくとも20ミリ前後は余白を設けたいところです。
これは本の大きさや文字の大きさによっても異なります。

今回ご説明したことは、本来出版社や制作会社からご提案差し上げることですが、予備知識としてご存知いただくと、本づくりの楽しさが増えると思います。

北斗書房では自費出版ご相談を随時受け付けております。
原稿や作品の企画をお持ちいただけましたら、最適な紙面設計をご提案します。
また、これまでお作りした作品も常に店頭掲示しております。

どうぞお気軽にご相談ください。 →お問い合わせはこちらから

ヨコのものをタテに:その2 ―英文の場合

前回(ヨコのものをタテに ―数字の表し方について)をご覧いただいた方から「英文の場合はどうなるのか」というご質問をいただきました。
せっかくのご質問ですので、今回は縦組みの場合の英文表記をお題にします。

まず結論から申しますと、数字と同じく明確な規格は定められていません。
そのなかでも、一般的に用いられる方法をご説明します。

まず原則としては、アルファベットの表記はすべて横倒で組むことが一般的です。
縦組みの本で、アルファベットで記された長い単語や、ホームページのアドレスが横向きにレイアウトされている本をご覧になった方もおられると思います。
ただ例外として、USAやDVDなどの略称は日本語と同じように縦組みにします。
これも共通の規格は無く、編集部や著者の判断で独自のルールが定められています。

この他には、日本語表記に置き換えてしまう方法もあります。
例えば「42.195㎞」を「四二・一九五キロ」のように、出来るだけ縦組みで表現できるように言葉を置き換えることです。
置き換える際には「算用数字とアルファベット」「漢数字とカタカナ」というグループにまとめて考えると整理しやすいでしょう。

やむを得ない場合もありますが、横向きのアルファベット表記が多くなると本としては読みづらくなりますので、北斗書房では可能な限りこの方法をお勧めしています。
どう修正するかのご提案もさせていただいていますので、お気軽にご相談ください。

ヨコのものをタテに ―数字の表し方について

前回(「文字組み」の悩ましさ)では、縦書き・横書きどちらでも表示できる日本語の特徴と、その使い分けについてお話しました。

そのなかでも特に悩ましいのが、数字の表記です。 

「横組みは算用数字、縦組みは漢数字」というのが基本原則なのですが、漢数字には2種類の表示方法があります。
ひとつは「十方式」、もうひとつは「一〇方式」です。

日本語本来の書き方は伝統的に「十方式」が用いられてきました。
古文書などで「壱千弐百参拾四」などの表記を目にした方もおられるかと思います。
ただこの書き方ですと、桁の大きい数字は読み辛くなります、そこで算用数字の表記をそのまま漢数字にあてはめた「一〇方式」が考え出されました。

 一般的な本では、基本は「十方式」で、西暦や単位記号が付く数字などは「一〇方式」という使い分けが良く用いられます。
ただし、統計資料に代表される、数字が主役の本の場合は「一〇方式」で統一される場合もあります。

この使い分けですが、実はJIS規格のような明確な決まりはありません。
全国紙の新聞各紙も、個々の判断で独自にガイドラインを定めているのが現状です。
ある作家さんは、ご自身のエッセイの中で「何となくではあるが自分なりのルールを決めて数字の表記をしている」と書かれていました。
それ位、数字の表記方法は悩ましいといえるのでしょう。

自費出版制作に携わる者として、また最初の読者として原稿に向き合い、最初に考えることは「どんな本に仕上げるか」です。
そのため、原稿をしっかり読み込むことを心掛けています。
作品の内容や性格付けが明確にイメージできると、おのずから数字表記の方針も明らかになります。

作者様と共に、この悩ましくも楽しい時間を共有したいと考えております。

その写真、大丈夫ですか?―肖像権のお話―

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肖像権とは、私生活上の容姿を無断で撮影されたり、撮影された写真を勝手に公表されたり利用されることがないように主張できる権利です。
誰しも、勝手に写真を取られたりするのは不快であり、嫌悪感を覚えるものです。
このような精神的な苦痛を受けないように保護を受けることのできる権利を肖像権と呼びます。
この肖像権には二つの側面があります。

プライバシー権(人格権)
自己の容姿を無断で撮影されたり、その写真を勝手に公表されたりしないよう主張できる権利です。
プライバシー権は歴史も古く、判例上も古くから認められているものです。
プライバシー権は、その人が持つ人格部分に関わるので、人格権に含まれます。

パブリシティ権(財産権)
テレビや雑誌等で芸能人やスポーツ選手など著名人の肖像や氏名は、商品CMなどでよく目にします。
このような著名人のもつ人気や名声から生じる経済的な利益・価値に関わる権利は「パブリシティ権」と呼ばれ、これは財産権に則した権利です。

自費出版づくりで「うっかり」ありがちな、次のような行為は、肖像権の侵害になります。
内容によっては著作権の侵害にもなりますので、写真を選ぶ際の参考になさってください。

・インターネット上の画像を無断でそのまま、または加工して掲載した。

・自分で撮った友人の写真を無断掲載した。

・インターネットからダウンロードした有名人の写真画像を無断掲載した。

・自分で撮った著名人の写真を無断掲載した。

たとえ自分で撮った写真でも、著名人の場合はパブリシティ権侵害になります。
友人の場合はプライバシー権の侵害になります。
そのため、掲載する前に許可をもらう必要があります。

以下のサイトには、より詳しく著作権や肖像権について記されています。
興味のある方はいちどご覧ください。

公益社団法人著作権情報センター
http://www.cric.or.jp/

文化庁
http://www.bunka.go.jp/

特定非営利活動法人肖像パブリシティ権擁護監視機構
http://www.japrpo.or.jp/

あとがき ~ 終わりよければ全て良し ~

本文が進み、最後に入るのは「あとがき」です。

一般的に、奥付は出版社の責任において表示するものと考えております。
ですので、著者に執筆をお願いする責任範囲としましては「まえがき」から「あとがき」までとなります。

「まえがき」は、本を手に取った人に、この本がどんな本かを紹介するものです。

→ブログ「まえがきの役割 ~本の構成を考える~」はこちら

一方「あとがき」は、本編を読み終えた方に向けたメッセージになります。
映画に例えるならエンドロールになりますでしょうか。
あとがきが付いている本は、読後感の良い、一冊の本として締まった仕上がりになります。

一般的には、あとがきには主に次のような内容を記します。

  • 本編を書き上げた「感想」
  • 執筆時の苦労や発見、エピソードを綴る「執筆体験談」
  • 再確認した作品に対する「想い」
  • 執筆にあたってご協力いただいた方への「感謝」

自費出版の場合ですと、家族や知人に向けたメッセージを記されることもあります。
また参考文献がある場合は、あとがきの最後に掲載します。

「あとがき」には、必ずこう書かねばならないという決まりはありません。
強いて言えば「これまでの慣習上このように書く場合が多い」という傾向がある程度です。
基本的には、公序良俗に反しない範囲で自由にお書きいただくのが良いと考えています。
もちろん、作品の内容や執筆の経緯によって、その内容も変わるでしょう。

たとえどんな内容であっても、そのあとがきを読んだ人が、そこに何かしらの共感を得ることができたとしたら、充分にあとがきの役割を果たしているといえます。

「さあ、あとがきを書くぞ!」と気負いこむと、かえって書き難くなるものです。
自費出版の場合は、まずは執筆にあたって苦労を感じたこと、発見したこと、感動したことなど、何か心を動かされたことを率直にお書きになるのが良いのではないかと思います。

そのうえで、執筆に当たってご協力いただいた方や、応援してくださった方、何より、自分の著書を手に取ってくださった読者に向けた感謝のメッセージがあれば、なおよろしいかと思います。

関連リンク

・まえがきの役割 ~本の構成を考える~

・段落の役割

・文章の構成と起承転結

・文章を「3」でまとめる―3部構成―

 

まえがきの役割 ~本の構成を考える~

自費出版に限らず、書店に並ぶ本の多くには、「まえがき」や「あとがき」が入っています。
弊社にお越しのお客様からは「まえがきは何を書いたらいいのか」「まえがきは書いたのであとがきは必要無いか」といったご質問をよくお受けします。
今回は、「まえがき」の役割についてご説明しようと思います。

「まえがき」とは、その本の大まかな内容を紹介するものです。
典型的な例として、ビジネス書があります。
何をテーマとした本か、誰に向けて書いたものか、この本を通じて何を訴えたいのか。
多くのビジネス書の前書きには、これらのことが網羅されています。

「ビジネス書を選ぶときには、まえがきを読むと良い」というお話をよく聞きます。
まえがきには、その本の肝になる部分が要約して記されています。
ですから、まえがきを読むと本の良し悪しが判るという理屈です。
本の構造から考えても、確かにこれは理に叶っているといえます。

一方、著者以外の方が書くまえがきもあります。
推薦文や、友人からの寄せ書きがこれにあたります。

また、遺作集など故人を偲んでつくる本の場合は、まえがきに変わるものとして追悼文が入ります。
追悼文の執筆は、著者のご遺族や故人が生前親しかった方に執筆をお願いするのが一般的です。

自費出版作品の場合は、ビジネス書ほどシビアではありませんが、自身の作品を紹介するつもりでお書きになると良いのではないかと思います。

なぜこの本を書こうと思ったのか、何を伝えたいのか、どんな方に読んでもらいたいか、等を考えながら書くと良いでしょう。
また、まえがきをよく推敲することは、自分の作品の見直しにもつながります。

せっかくの作品ですから、まえがきもしっかり書き上げて、より完成度の高い本にされることをお勧めします。

関連リンク

・あとがき ~ 終わりよければ全て良し ~

・段落の役割

・「見出し」の役割