「自分史を書きたい、でも何からはじめたら良いか分からない」という方はたくさんいらっしゃると思います。
そんな方にお勧めしているのが「エッセイ型」の自分史です。
以前当ブログで「エッセイ集自分史」のご提案をさせていただきました。
「過去の体験やエピソードと、その時の思いを自由な形式で書く」「1本のエッセイで1,500~2,000字程度」と、比較的取り組みやすい方法です。
年表を書き、次に構成を練り、資料を集めてようやく執筆に入る―これが自分史執筆の正攻法で、自分史執筆の定石としてよく紹介されています。
ただ、全体の構成を考えながら長文をかくのは難しいものです。
エッセイ型自分史は、まず何本かエッセイを書き上げてから、並び順の変更やグループ分けによって本の構成を考え本にまとめます。
これは「考えてから書く」のではなく「書いてから考える」方法です。
「長文はちょっと荷が重いけど、短い文章なら・・・」という方には、このエッセイ風自分史をお勧めします。
良いことずくめのエッセイ型自分史ですが、気を付けた方が良い注意点がふたつあります。
1.日記調になってしまう
書きたいことを書きたいように書けるのがエッセイ型の良いところですが、出来事だけを粛々と書き進めると、日記のような内容になってしまいます。
日記がダメというわけではありませんが、あまりに日記調に傾きすぎると全体として単調な仕上がりになってしまいます。
文章の役割を大きく分類すると、「記録する」「解説する」「楽しませる」「自己表現をする」「宣伝する」の5つに分けることができます。
この分類に則ると、日記は「記録」に、そしてエッセイは「自己表現」に分類できます。
つまり、日記とエッセイの最大の違いは、書き手の想いがどれだけ著されているかにあります。
ある出来事に対して、淡々と事実を述べるだけではなく「何を感じたか」「何を考えたか」に焦点をあてて書くと良いでしょう。
2.全体の統一感がとりにくい
この書き方は、エッセイとして書きたいところから書き出すため、本にまとめたときに全体の統一感がとりにくくなります。
文章には書いているその時の想いが反映されますから、時として真逆の論調で書いてしまうことも大いにあり得ます。
対策としては、書いた後のチェックを念入りに行うことです。
特に、言葉の表記や内容の整合性がとりにくくなりますので、原稿を書き上げた後のブラッシュアップを丁寧に行うと、原稿の完成度が高まります。
原稿を見直される際には、当ブログで原稿チェックのコツをご紹介しておりますので、どうぞご参照ください。
北斗書房では原稿の書き方やまとめ方のアドバイスを無料で承っております、どうぞお気軽にご相談ください。
予約制ですので「ゆっくり」「じっくり」ご相談いただけます。
まずは自費出版に対する疑問、ご希望をお聞かせください。
原稿の作り方から冊子の装丁まで、丁寧にサポートします。
自分史、エッセイ集、画集、句歌集など、おつくりになりたい内容に応じて、適切なご提案をさせていただきます。
ご相談、お見積は無料です。どうぞお気軽にご相談ください。
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※「自費出版と校閲」に関するバックナンバー
校閲士の凄腕エピソードをご紹介します。
大手出版社には凄腕の校閲者がたくさんおられます。
言葉の職人ともいわれる校閲者による伝説的なチェックには、枚挙に暇がありません。
テレビドラマとはちょっと趣は違いますが、有名なエピソードを列挙してみましょう。
ミステリー小説の場合
「東京から名古屋まで、自動車では高速道路を利用してもこの時間には到着しません」「主人公の自宅がマンションの1階に設定されていますが、前作の住まいは2階でした。」など、トリック成立の可否や前作との整合性にまで踏み込んでチェック。
時代小説の場合 その1
歴史的事実の確認にはじまり、忍者屋敷の複雑な構造や、部屋の間取り、扉の開け閉めが手前か奥か、物語の中で矛盾がないかチェックが入ったそうです。
時代小説の場合 その2
「中山道の〇〇の宿場の町はずれの地蔵堂で…」というシーンに対して「○○宿に地蔵堂が作られたのはこの数年後です」と史跡の歴史に照らし合わせて時系列の整合性のチェックが入りました。
時代小説の場合 その3
ある場所から別の場所を見る描写に対して「この時代ここにこういう建物があって(中略)よってこの場所から目的のものは見えません」という指摘が入って戻ってきました。
気象情報までチェック
小説の描写で作者が「まぶしいほどの月光」と書いたところ、小説上の日付に合わせた気象情報を確認して、ゲラに「現実の2012年6月9日も満月と下弦の間、描写に問題なし」というコメントが入りました。
これらの不具合は修正されたうえで印刷し市場に流れますので、私たちが手に取る本で確認することはまずありません。
しかし、これらの表に出ない校閲士の方々が日々言葉と格闘されているおかげで、私たちはより完成度の高い作品に触れることができるのです。
「校閲は出版物のクオリティを支える底力」といわれる理由もここにあります。
予約制ですので「ゆっくり」・「じっくり」ご相談いただけます。
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※「自費出版と校閲」に関するバックナンバー
前回に引き続き、弊社の行う校閲の内容です。
2.事実関係の誤り
史実関係(年号、曜日、固有名詞、事件など)の確認、企業・著名人のプロフィールに誤りがないか、チェックを行います。
その際には、できるだけ元の情報(一次情報)に照らし合わせることが重要です。
(1)歴史は変わる
歴史上の事件や学術的な事項は、新しい研究成果の発表によって内容が変わることがあります。最近ですと、教科書に記載される「大化の改新」や「鎌倉幕府成立」の年号が変わることや、聖徳太子の歴史的扱いが変わるというニュースは、記憶に新しいことと思います。
このような例は枚挙に暇がなく、校閲の際にはその都度信頼がおける最新情報と照らし合わせる必要があります。
(2)学術分野も変わる
医学や科学技術関係は日進月歩の世界です。
新しい研究発表により新しい真実が明らかになり、これまでの常識が覆ることはよくあることです。
このあたりは、信頼のおける最新の情報に当たることが必要になります。
(3)言葉も変わる
世相や国際情勢を反映して、単語の表記方法が変わることもあります。
ひと昔前では問題なかった表現でも、現在は差別的またはその他の事情によって表現を変えた言葉はたくさんあります。
完成した本は著者の手を離れ、色々な人の手に渡りますから、このあたりはリスク回避という観点からも、現在の表現に改める方が良いでしょう。
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前回のブログでは、商業出版と自費出版の校閲の違いを簡単にご説明しました。
では、自費出版では具体的にどのような校閲を行うのでしょうか。
校閲の内容は多岐にわたりますが、大きく3つにまとめられます。
1.日本語の文章としての誤り
2.事実関係の誤り
3.内容の矛盾
1.日本語の文章としての誤り
原稿の誤字や脱字、助詞の誤り、主語と述語の整合性など、日本語の文章としての正しさや読みやすさをチェックします。
日本語として正しい文章は、必然的に読みやすく分かりやすい文章になります。
その意味では「エコノミック・アテンション」に通じるところもあります。
代表的なチェックポイントは次のとおりです。
(1)漢字の間違い
誤字脱字の代表的なものですが、原稿をパソコンで執筆されるケースが増えるにつれて文字を打ち込む際の誤変換による漢字の間違いが増えています。
(2)送り仮名の間違い
漢字の間違いとは逆に、パソコン執筆が増えるにつれてこの間違いは減ってきたように思います。
ご参考までに、間違えやすい送り仮名を挙げてみました。
・陥る(おちい‐る) ・費やす(つい‐やす) ・哀れむ(あわ‐れむ)
・妨げる(さまた‐げる) ・被る(こうむ‐る) ・試みる(こころ‐みる)
・確かめる(たし‐かめる)・潔い(いさぎよ‐い)・危ない(あぶ‐ない)
・恥ずかしい(は‐ずかしい)・必ず(かなら‐ず)
(3)助詞の間違い
いわゆる「てにおは」の使い方がこれにあたります。文法上の誤り以外に、間違いではなくても文脈上より相応しい助詞に変えることも含まれます。
(4)常体と敬体の混在
「だ・である」の常体と、「です・ます」の敬体があり、一連の文章を通じて文体を統一することが原則です。
常体または敬体どちらかに統一するために、文体の混在がないかをチェックします。
(5)形式名刺
「形式名詞」とは、修飾する言葉の後ろに付く名詞です。普通の名詞と異なり、実質的な「モノ」としての意味は薄れていますので、通常は平仮名で表記します。
・時 → とき ・事 → こと ・物 → もの ・方 → ほう ・所 → ところ
・為 → ため ・程 → ほど ・間 → あいだ ・訳 → わけ ・様 → よう
・度 → たび ・毎 → ごと ・筈 → はず ・迄 → まで
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前回のブログで、一般的な校正と校閲の違いについてご説明しました。
では、自費出版の校閲はどのように行うのか。
今回はこのあたりをご説明します。
校閲の目的は「情報が正確で、誰にでも伝わる分かりやすい本」に仕上げることにあります。
その意味では、商業出版、自費出版どちらも校閲で行うことに大きな違いはありません。
では商業出版の校閲と、自費出版の校閲、どこに違いがあるのでしょうか。
それは「誰が本を出す(出版する)のか?」という点にあります。
以前弊社のフェイスブックページで、出版物の所有権に関する記事をアップしましたので、一部抜粋してご紹介します。
——————————
出版社は本を売ることで利益を獲得します。そのために、原稿料や制作費用などの「コスト」を投入して本を作ります。だからこそ、出版社は「売れる本」にするための、最大限の努力をするのです。
場合によっては、著者に対して内容の訂正を求めるケースもあります。
自費出版の場合は、制作費用を著者が負担しているわけですから、完成した本は著者のものになります。
どんな装丁でどんな仕上りの本にするかは、著者の自由です。自分の好きなデザインで、自分の想いをカタチにすることが出来るのです。
著者の所有物ですから、公序良俗に反しない限り、内容は著者の意向が100%反映されます。その一方で、内容に関する責任も著者にある、ということになります。
(「本は誰のもの?~出版スタイルで変わる本の所有権と内容責任~」より)
——————————–(引用ここまで)
つまり、その本を出版する主体が出版社なのか、あるいは著者なのかによって、どこまで踏み込んだ校閲を行い、それをどこまで反映するのかが変わってくるのです。
自費出版の場合は、対象とする読み手の範囲やその本の性格によって、自ずと校閲の範囲も変わってきます。
著者の個性を尊重して、いわゆる「書きグセ」までもあえて残す場合もありますし、内容や表現まで踏み込んだ校閲を行う場合もあります。
ただし、先の述べたとおり、あくまで自費出版の主役は著者ですので、最終的な修正の可否は著者に裁量によるところが大です。
北斗書房でも校正・校閲・リライトのご相談を承っております。
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「校閲」という言葉はご存知でしょうか。
今年の秋(2016年10月)から、これを題材にしたドラマが放送されているので、耳にされた方もおられると思います。
「校閲」と似た言葉に「校正」があります。
どちらも編集や出版、印刷業界などで用いられる用語です。
字面が似ているので、同じような意味と思われがちですが、意味は大きく異なります。
「校」の字には比べるという意味がありますから、校正は「(原稿と)比べて正す」という意味になり、一方校閲の場合は「(原稿内容の事実関係を)調べて比べる」という意味になります。
言い換えると、校正は「印刷物の校正紙が原稿どおりにできているか」であり、校閲は「その原稿に書かれていることは正しいか」を調べる作業といえます。
つまり、見るべきポイントが違うのです。
校正は、校正紙と原稿を比べ合わせて、誤植や体裁の誤りを正す作業が主となります。
文字の打ち間違いやレイアウトの不備、図表の不具合などを指摘し正していきます。
通常校正の作業は、お客様(著者)側で行うことが一般的です。
一方校閲は、著者の原稿を編集者がチェックします。
主なチェック内容は、歴史的な事実、文学や音楽などの作品名、人名、化学・科学・統計に関わる数値です。
この他にも、文章内容の矛盾や表現の誤りの指摘も校閲の範疇になります。
商業出版では、校閲は校正と共に本の完成度を決める重要な工程です。
いかに内容が素晴らしくても、事実関係に誤りや誤字脱字のある本は商品としての信用性に欠けますし、何よりその出版社のイメージダウンにもなりかねません。
「売る本」をつくる過程では必要不可欠な工程です。
自費出版であっても同様です。
校閲を経ることで内容の正確性が高まり、より完成度の高い作品に仕上がります。
北斗書房でも専属の校正士がおり、原稿の校閲や添削も承っております。どうぞお気軽にご相談ください。
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※「エコノミック・アテンション」に関するバックナンバー
エコノミック・アテンション その2―文章を分かりやすくするチェックポイント(1)―
エコノミック・アテンション その3 ―文章を分かりやすくするチェックポイント(2)―
エコノミック・アテンション その4 ―文章を分かりやすくするチェックポイント(3)―
エコノミック・アテンション その5 ―文章を分かりやすくするチェックポイント(4)―
エコノミック・アテンション その6 ―文章を分かりやすくするチェックポイント(5)―
これまで6回に分けて、文章を分かりやすくするための、16個のチェックポイントをご紹介してきました。
つまるところエコノミック・アテンションとは「いかに読み手に伝わりやすい文章にするか」への配慮に尽きます。
客観的な目で読み直してみる。
くどい表現や長すぎる文章はすっきり整理する。
幾通りにも解釈できる文章は改める。
読み手がストレスなく、ストレートに書き手のメッセージが伝わる文章なら、きっと手に取って読んでもらえる機会が増えることでしょう。
この連載の1回目で「書きたいことが一通り書けたら50%は完成」と申しました。
文章をブラッシュアップすることで、自分の文章がどんどん変わってゆくプロセスも含めて「文章を書く」という自己表現の難しさと、それ以上の楽しさを感じていただければ幸いです。
※「エコノミック・アテンション」に関するバックナンバー
エコノミック・アテンション その2―文章を分かりやすくするチェックポイント(1)―
エコノミック・アテンション その3 ―文章を分かりやすくするチェックポイント(2)―
エコノミック・アテンション その4 ―文章を分かりやすくするチェックポイント(3)―
エコノミック・アテンション その5 ―文章を分かりやすくするチェックポイント(4)―
文章をブラッシュアップするためのチェックポイント14点をご紹介してきました。
これまでのチェックを踏まえ、もう一度全体を見直してみましょう。
15.読んでみる
チェックを重ねることによって、読みにくさや文章上のムダ、ミスリードを招くあいまいな表現など、ずいぶん解消できたことと思います。
ここでもう一度、全体を通して読んでみましょう。
その際の注意点は「必ず声に出して読む(音読する)」ことです。
声に出さない黙読ですと、いつの間にか流し読みになってしまいます。
音読の場合は、リズムの悪い表現や誤字・脱字があると読みづらくなるので、文章の不具合に気付きやすくなります。
これはプロの編集マンも実践しているそうですから、その効果は保証済みです。
16.読ませてみる
自分の書いた文章ですと、ついつい読み方が主観的になってしまいます。
自分の頭の中にある文章ですから、文章の不備は無意識に自分の頭の中で補足しがちです。
これではせっかくのチェックが無駄になってしまいます。
そんな場合は、自分以外の誰かに読んでもらうことをお勧めします。
その文章に対して先入観がありませんから、客観的に読むことができます。
読みづらさや意味の分かりにくいところにも率直な意見がもらえるはずです。
読んでもらう相手は、家族や親しい友人でも結構ですが、プロの眼に頼るのも良いでしょう。
北斗書房でも原稿持ち込みを受け付けております。
どうぞお気軽にご相談ください。
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※「エコノミック・アテンション」に関するバックナンバー
エコノミック・アテンション その2―文章を分かりやすくするチェックポイント(1)―
エコノミック・アテンション その3 ―文章を分かりやすくするチェックポイント(2)―
エコノミック・アテンション その4 ―文章を分かりやすくするチェックポイント(3)―
今回は「言い回し」など表現に関するチェックポイントです。
12.できるだけ肯定文で書く
日本語は、文末まで読まないと肯定か否定か分かりにくいという特徴を持っています。
そのため、否定文を肯定文として受け取られてしまう恐れがあります。
また、読み手にネガティブなイメージを与えがちでもあり、文章全体の印象にも影響を及ぼします。
文脈上、否定文を使いる必要があるときは、ミスリードを防ぐために一工夫します。
例えば、文頭に「残念ながら」「決して」「必ずしも」といった言葉を入れます。
こうすることで、読み手に否定の文章であることを匂わせます。
否定文で特に避けたいのは二重否定の文章です。
「~がなければ~できなかった」のような、否定語を二重に使った文章です。
これは「~のおかげで~できたと、肯定文を使う方が望ましいでしょう。
13.受身の文章はわかりにくい
「~される」のような表現を受動態(受け身)といいます。
受動態は、主語を省略した文章になりがちなため、動作の主体が分かりにくくなります。
また、客観性・慎重性が強調されるために、説得力に乏しい文章になります。
「使われています → 使っています」「作られる → 作る」など、受動態を能動態に変えることで、文章中の主体が明確になり、論旨が読み手にはっきりと伝わるようになります。
14.漢字とかなは意味によって使い分ける
同じ言葉でも、複数の意味で用いることができる場合、漢字と平仮名どちらにするかを迷うことがあります。
そんな場合は、その意味するところで使い分けると良いでしょう。
例えば「物」の場合、具体的な物や品を表すときは漢字の「物」で、抽象的なものを指すときは平仮名の「もの」を用います。
同様に、特定の時期や時点は漢字の「時」を、状況や仮定などを表わすときは平仮名の「とき」を用います。
※「エコノミック・アテンション」に関するバックナンバー
エコノミック・アテンション その2―文章を分かりやすくするチェックポイント(1)―
エコノミック・アテンション その3 ―文章を分かりやすくするチェックポイント(2)―
文章を分かりやすくするチェックポイント、4回目の連載になります。
最初に思いつくまま書いた文章には、前後関係の矛盾や表現の不統一、書いた本人の「書き癖」などが含まれています。
ある説によると、頭の中で考える速度と手で文章を書く速度には大きな差があるため、意図せず書き間違い(ミスタッチ)や書き癖が起きてしまうそうです。
これはある意味仕方のないことなのかもしれません。
だからこそ、一旦書き上げた後で読み返すことが重要になってくるのです。
9.「~こと」を多用しない
「計算する」「処理する」などの名詞に「する」をつけて動詞となる単語があります。
これらの単語は「計算すること」「処理すること」と、後に「~すること」を付け名詞として用いることもできます。
文章表現上で必要な場合は良いのですが、あまりに多用すると冗長な文章になるます
やや極端な例ですが、学術論文や報告書などでこのような表現をご覧になったことはないでしょうか。
[例]
動詞の表現を整理したことで、Bの方がすっきりと読めるはずです。
書いた文章を読み返すとき、「・・こと」と「・・である」を数えてみましょう。それらを多用した文章は、ムダが多く、読みにくいはずです。
表現の仕方を変えてすっきり読みやすい文章を目指しましょう。
10.指示語に注意
「こそあどことば」と呼ばれる言葉があります。
「あれ」「これ」「それ」など、文法上は指示語に分類されるものです。
指示語は、うまく使えば文章をよりシンプルに分かりやすくまとめる効果がありますが、あまりに多用しすぎるのは考え物です。
指示語が多すぎると、「あれ」や「それ」が指し示すものが何なのか、その都度前の文を読み返さねばならず、読み手の大きなストレスになります。
むやみに使わないほうがよいでしょう。読み手を混乱させる原因になります。
読み返してみて、指示語が多すぎると感じたら、具体的な表現に戻してみましょう。
11.「である」と「です・ます」の混在に注意
現代文の文体には「である調(常態)」「です・ます調(敬体)」の2種類があります。
「である調」は、表現がシンプルになり主張を明確に表すことができるので、主に論文やルポタージュなどによく用いられます。
「です・ます調」は読み手にソフトで丁寧な印象を与えることから、エッセイや実用書などで用いられることが多いようです。
文体は、ひとつの文章で文体を統一することをお勧めします。
どれだけ意識して書いていても、日常の書き癖がつい出てしまうものです。
チェックするときは、文末表現に集中して読み返すと見つけやすいでしょう。