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エコノミック・アテンション その5 ―文章を分かりやすくするチェックポイント(4)―

※「エコノミック・アテンション」に関するバックナンバー

エコノミック・アテンション ―「読みやすさ」を考える―

エコノミック・アテンション その2―文章を分かりやすくするチェックポイント(1)―

エコノミック・アテンション その3 ―文章を分かりやすくするチェックポイント(2)―

エコノミック・アテンション その4 ―文章を分かりやすくするチェックポイント(3)―

今回は「言い回し」など表現に関するチェックポイントです。

12.できるだけ肯定文で書く
日本語は、文末まで読まないと肯定か否定か分かりにくいという特徴を持っています。
そのため、否定文を肯定文として受け取られてしまう恐れがあります。
また、読み手にネガティブなイメージを与えがちでもあり、文章全体の印象にも影響を及ぼします。
文脈上、否定文を使いる必要があるときは、ミスリードを防ぐために一工夫します。
例えば、文頭に「残念ながら」「決して」「必ずしも」といった言葉を入れます。
こうすることで、読み手に否定の文章であることを匂わせます。
否定文で特に避けたいのは二重否定の文章です。
「~がなければ~できなかった」のような、否定語を二重に使った文章です。
これは「~のおかげで~できたと、肯定文を使う方が望ましいでしょう。

13.受身の文章はわかりにくい
「~される」のような表現を受動態(受け身)といいます。
受動態は、主語を省略した文章になりがちなため、動作の主体が分かりにくくなります。
また、客観性・慎重性が強調されるために、説得力に乏しい文章になります。
「使われています → 使っています」「作られる → 作る」など、受動態を能動態に変えることで、文章中の主体が明確になり、論旨が読み手にはっきりと伝わるようになります。

14.漢字とかなは意味によって使い分ける
同じ言葉でも、複数の意味で用いることができる場合、漢字と平仮名どちらにするかを迷うことがあります。
そんな場合は、その意味するところで使い分けると良いでしょう。
例えば「物」の場合、具体的な物や品を表すときは漢字の「物」で、抽象的なものを指すときは平仮名の「もの」を用います。
同様に、特定の時期や時点は漢字の「時」を、状況や仮定などを表わすときは平仮名の「とき」を用います。

エコノミック・アテンション その4 ―文章を分かりやすくするチェックポイント(3)―

※「エコノミック・アテンション」に関するバックナンバー

エコノミック・アテンション ―「読みやすさ」を考える―

エコノミック・アテンション その2―文章を分かりやすくするチェックポイント(1)―

エコノミック・アテンション その3 ―文章を分かりやすくするチェックポイント(2)―

文章を分かりやすくするチェックポイント、4回目の連載になります。

最初に思いつくまま書いた文章には、前後関係の矛盾や表現の不統一、書いた本人の「書き癖」などが含まれています。

ある説によると、頭の中で考える速度と手で文章を書く速度には大きな差があるため、意図せず書き間違い(ミスタッチ)や書き癖が起きてしまうそうです。
これはある意味仕方のないことなのかもしれません。

だからこそ、一旦書き上げた後で読み返すことが重要になってくるのです。

9.「~こと」を多用しない
「計算する」「処理する」などの名詞に「する」をつけて動詞となる単語があります。
これらの単語は「計算すること」「処理すること」と、後に「~すること」を付け名詞として用いることもできます。
文章表現上で必要な場合は良いのですが、あまりに多用すると冗長な文章になるます
やや極端な例ですが、学術論文や報告書などでこのような表現をご覧になったことはないでしょうか。 

[例]

  1. この新しい方式では両者の情報を同時に計算することができるため、高速に処理することが可能である。
  2. この新しい方式では両者の情報を同時に計算するため、高速に処理できる

動詞の表現を整理したことで、Bの方がすっきりと読めるはずです。
書いた文章を読み返すとき、「・・こと」と「・・である」を数えてみましょう。それらを多用した文章は、ムダが多く、読みにくいはずです。
表現の仕方を変えてすっきり読みやすい文章を目指しましょう。

10.指示語に注意
「こそあどことば」と呼ばれる言葉があります。
「あれ」「これ」「それ」など、文法上は指示語に分類されるものです。
指示語は、うまく使えば文章をよりシンプルに分かりやすくまとめる効果がありますが、あまりに多用しすぎるのは考え物です。
指示語が多すぎると、「あれ」や「それ」が指し示すものが何なのか、その都度前の文を読み返さねばならず、読み手の大きなストレスになります。
むやみに使わないほうがよいでしょう。読み手を混乱させる原因になります。
読み返してみて、指示語が多すぎると感じたら、具体的な表現に戻してみましょう。

11.「である」と「です・ます」の混在に注意
現代文の文体には「である調(常態)」「です・ます調(敬体)」の2種類があります。
「である調」は、表現がシンプルになり主張を明確に表すことができるので、主に論文やルポタージュなどによく用いられます。
「です・ます調」は読み手にソフトで丁寧な印象を与えることから、エッセイや実用書などで用いられることが多いようです。
文体は、ひとつの文章で文体を統一することをお勧めします。

どれだけ意識して書いていても、日常の書き癖がつい出てしまうものです。
チェックするときは、文末表現に集中して読み返すと見つけやすいでしょう。

エコノミック・アテンション その3 ―文章を分かりやすくするチェックポイント(2)―

前回に引き続き、文章をブラッシュアップするときの具体的なチェックポイントです。
主に今回は、文法的な視点によるチェック方法を紹介します。

5.主語と述語は近くに置く
主語と述語を離して置くと、読みづらい文章になります。
主語に対応する述語が離れたところにあると、主語と述語の関係が分かりにくくなり、読み手の混乱を招きます。
次の2つの例文は同じ内容を表していますが、主語と述語の位置を変えて短い文章の集まりにすることで、すっきりと読みやすくなります。

[例 ※黒色の太字が主語、赤色の太字は述語です]
× 当社は今年秋をめどに顧客満足度を上げるような品質管理体制の新しいしくみをつくるための準備ともいえるCSに関するアンケート調査を今回実施した。 

○ 当社はCSに関するアンケート調査を実施した。これは今年秋をめどに顧客満足度を上げるような品質管理体制の新しいしくみをつくるためで、本調査はその準備といえる。

6.修飾語と修飾される言葉は離さない
修飾語と被修飾語(修飾される言葉)が離れすぎていると、さまざまな解釈が生まれてしまい文章がわかりにくくなります。修飾語は、被修飾語の直前に置きます。

7.接続詞を多用しない
接続詞(「しかし」「そして」「・・が」など)には、文章の道筋をはっきりさせる働きがあります。その反面、接続詞の多すぎる文章は、文章の流れが悪くなり読みづらい文章になります。
チェック方法は簡単です、いちど接続詞を取って読み直してみるとよいでしょう。
文章の意味が変わらなければ、その接続詞は不要です。

8.同じ助詞を繰り返さない
例えば、助詞の「の」は、ひとつ文中で3つ以上つなげると、係りと受けの関係があいまいになり、分かりづらい文章になります。
こんなときは、言葉を書き換えることで助詞を減らすことで係り受けがはっきりします。

もう少し続きます。 

エコノミック・アテンション その2  ―文章を分かりやすくするチェックポイント(1)―

「良文=分かりやすい文章」を書くための第一ステップとして「とにかく書いてみる」ことをご提案しました。
まず書きたいことを書いて、それからブラッシュアップするという流れです。
今回は、具体的な見直しのポイントをご説明します。

1.ひとつの段落の内容はひとつに絞る
段落とは、本来一つのメッセージを伝えるために、いくつかの文が集まったものです。
メッセージが複数になると、その段落の趣旨がぼやけて解りにくくなります。
そんなときは、段落を分けてみましょう。

2.伝えたいことは段落の最初に置く
分かりやすい文章を書くためには、段落の最初で何を書こうとしているのかを伝えることも有効な方法です。
その段落で伝えたい趣旨を最初に置くことで、読み手はこれから文章の大まかな内容をあらかじめ把握して読み進むことができるので、文章に対する理解が深まります。

3.一文を短くする
長い文章は、どうしても構造が複雑になり、分かりにくいものになります。
読み返して分かりにくい文章は、「だれが」「なにを」などの5W1Hに立ち返って見直してみましょう。
文章を分割することで、案外すっきりした文章に変わります。

4.読み違いを防ぐ
読み手がいろいろな解釈ができるのは、文章として不完全です。
チェックする時は、読み手がどう解釈するか考えをめぐらしてみましょう。
読み違いを防ぐコツとしては、読点の入れ方を工夫することをお勧めします。
あまりに読点が多すぎるのは問題ですが、本来読点は文章をわかりやすく伝えるために必要なもので、誤解を避ける意味でも不可欠なのです。

読点を打つポイントは次の4点です

  • 読点は、主語のあとに打つ。
  • 文章が並立するときは、そのあいだに打つ。
  • 限定したり条件をつけたりするときには読点を打つ。
  • 時や場所、方法を示す語句のあとには読点を打つ。

このお話、もう少し続きます。

夏季休業のお知らせ

いつもこのブログをご覧いただきありがとうございます。

8月11日(木・祝)~16日(火)は夏季休暇をいただいております。

8月17日(水)より通常営業いたします。

ご迷惑をお掛けしますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

エコノミック・アテンション ―「読みやすさ」を考える―

前回のブログでは「名文」ではなく、分かりやすく伝わりやすい「良文」を意識した執筆をご提案しました。
では、具体的に「良文」とはいかなるものでしょうか。

アメリカの文章作法に「エコノミック・アテンション」という考え方があります。
直訳すると「効率的な認知」つまり、読み手に余計な負担なく理解してもらうという意味になります。

文章を追っていくと自然と内容が理解できる文章、これは良文の条件といえます。
奇をてらった表現や凝った演出は必要ありません。
必要なことは、文章としての整合性や正しい言葉づかいです。
そのうえで、音読した時のリズム感、文字の並びとしての見た目が整えばなお良いでしょう。

ただし、「完成度100%の文章」は、残念ながらあり得ません。
心がけひとつで完璧な文章が書ければ良いのですが、それはかなり難しいことでしょう。
これは、執筆を生業にしている方が、このことに日々頭を悩ませていることからもお分かりいただけると思います。
私達が「完成度100%」を意識すると、逆に必要以上に気負ってしまい、書きたいことも書けなくなってしまいます。

まずは「とりあえず書く」から始めましょう。
「名文」も「良文」もひとまず脇に置いて、自分が書きたいことを、とにかく書いてみます。

ここでの完成度は、あえて問いません。
書きたいことが一通り書き上げることができたら、50%は完成したといえるからです。
ここから見直しを行うことで、書いた文章を良文に磨き上げていきます。 

次回から、具体的な見直しのポイントを紹介していきます。

名文とは? ―文章を書く心がまえ―

上手な文章が書きたいとは、誰しも思うものです。

スッキリした切り口で味のあるエッセイ。
思わず「なるほど!」と呻ってしまう学術書。
あたかもその場に居るような錯覚を覚えるルポタージュ。

このように、上手な文書にも色々ありますが、共通していえることは「解りやすい」文章であることでしょう。
一度読めば内容がすんなり頭に入る、そんな文章は間違いなく上手な文章といえます。

残念ながら、文章の高尚さと書かれた内容の高尚さには、何の関係性もないのです。

これらのことは、多くの文章講座やテキストで述べられていることです。
逆にいえば、それだけ解りにくい文章が多いのかもしれません。
ではなぜ、解りにくい文章を書いてしまうのでしょうか。

キーボードや原稿用紙に向かったとき「自分も後世に名文を残せるかも」と、つい妄想してしまう……程度の差はあれ、そんな妄想を抱いた人は少なくないと思います。

自分の著作を読み手に高く評価してもらいたい。
自費出版に限らず、何かを執筆する際、誰しもこう考えるのではないでしょうか。
この欲求は否定できません、それは人間の持つ自然な欲求といえるからです。

ただし、これは文章の中身に関わることであって、表現方法やテクニックで、自分の文章があたかも名文であるかのように見せようとすると、たいていの場合は逆効果になります。

よくある例としては、難しい言葉や漢字を多用し、ひねった言い回しを多用することです。
この様な文章は、文章で伝えたいことが散漫になり、その結果解りにくい文章になってしまいます。

あるいは、ひとつの文章に色々な内容を詰め込みすぎると、主題が解りにくくなり、やはり解りづらい文章になります。

名文かどうかは読み手が決めるものだと思います。
時間と多くの読み手を経て、結果的に名文として今に残っているのです。
現在に残る名文も、恐らくそれを書いた本人にそんな積もりは無かったことでしょう。

これから文章を残す私たちは「名文」ではなく、分かりやすく伝わりやすい「良文」を意識して執筆する方が、結果的に良い文章になるのではないでしょうか。

「ミニ自分史」のすすめ

「自身の半生を振り返ってまとめあげた半生記」自分史という言葉から、このようなイメージを連想される方も多いでしょう。
確かに自分史は、出生、両親のこと、学生時代、就職、結婚…といった具合に、半生を時系列で綴る(編年体)ものが代表的です。

その一方で、人生の一部分を切り出して綴る自分史もあります。旅行記、体験記、闘病記、クラブやサークルの活動記録などがこれにあたります。
この様な自分史を、北斗書房では「ミニ自分史」と呼んでいます。

ミニ自分史にはあまり制約はありません。
例えば旅行記の場合、現地に数年間滞在した手記などをイメージしますが、これが数日の小旅行であっても、そこで心に残るエピソードがあれば、それは充分ミニ自分史に取り上げる題材になります。

ここはひとつ、あまり肩肘張らず「その時の思い出をまとめてみようか」位の気持ちで取り組まれるのが良いでしょう。
何百ページもの大作にする必要はありません、スケッチや写真も交えながら、20ページ程度の小冊子にまとめても良いのです。

そんなミニ自分史が、何本か書き溜められたら、その時に改めて半生を綴る自分史としてまとめてみるのも良いかもしれません。

北斗書房では、そんなミニ自分史のアドバイスも承っております。
どうぞお気軽にご相談ください。

『北斗書房だより』最新号完成しました

弊社が発行しておりますニュースレター『北斗書房だより』の最新号(vol.16 No.3)が完成しました。

巻頭コラム「洛中徒然」では、京の夏の風物詩「祇園祭」を取り上げました、祇園祭にまつわる意外な歴史をご紹介しています。

その他にも、自費出版にまつわるコラムや弊社の作品を紹介しております。

『北斗書房だより』最新号は、弊社店頭のほか、京都市内の以下の施設で無料配布しております。 

  • 京都社会福祉会館
  • 京都府立文化芸術会館
  • 京都市北文化会館
  • 京都生協 コープ下鴨
  • 京都府立府民ホール アルティ
  • 京都教育文化センター
  •  京都市勧業館 みやこめっせ

近くにお立ち寄りの節は、ぜひ手に取ってご覧ください。

【洛中徒然(2)】祇園祭 ~雪降るなかの山鉾巡行~

 7月に入ると、京都の鉾町界隈では祇園囃が聞こえだします。京の夏もいよいよ本番を迎え、何となく心が浮き立つものです。

 祇園祭は7月1日の「長刀鉾町お千度」に始まり、7月31日の疫神社夏越祭まで、実に1ヶ月におよぶ長い祭事です。この時期新聞では、連日のように「宵山に何十万人の人出」というニュースが流れ、京の町も大変なにぎわいをみせます。

 夏の風物詩といえるこの山鉾巡行、実は秋や冬に執り行われたことがあるのはご存知でしょうか。

 文献によると、室町時代のある時期に10回ほど、冬に行われたと記されています。天文元年の巡行では、何と雪の舞う中を神輿が祗園社から御旅所へ渡ったそうです。

 山鉾巡行は、神輿渡御(みこしとぎょ)の露払いとして、都大路を祓い清める祭礼と位置づけられています。多くの神事をつつがなく執り行うため、現在の山鉾巡行は17日と24日に定められています。「小雨決行・大雨強行」という言葉がある位で、記録が残る限りにおいては天候が荒天で中止された例はないとのことです。

 記憶に新しいところですと、昨年(2015年)の巡行は、大型台風接近という状況にもかかわらず、激しい雨のなか山鉾巡行を実施されました。伝統ある祇園祭を継承し後世に伝えようとする、町衆の心意気と熱意が感じられます。

 再三の中断と再興を重ねながら京都の歴史・伝統とともに歩んできた祇園祭。こうした歴史的な背景に思いを馳せてみられてはいかがでしょうか。